田村町の史跡と風景 - 郡青ひなたweb - Page 2
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蝦夷穴横穴墓(えぞあなよこあなぼ)

秋は紅葉が綺麗な場所である。

田村町小川(こがわ)

 蝦夷穴とは崖の中腹にある横穴のこと。ここは亡くなった人を葬るための墓である。中には銀で装飾された刀などが納められていた。
大安場史跡公園から東山霊園方面へ向かい、県道54号須賀川三春線と交わる一本手前を右へ折れる。郡山市小川地区農業集落排水処理施設の前。

守山(もりやま)城跡

二の丸と三の丸の間の堀跡。史跡として最も分かりやすい部分。
城山八幡宮。ここが本丸跡だ。

田村町守山

 坂上田村麻呂が築いたとされる城。中世にかけては、田村麻呂の子孫である田村庄司家の本拠地であった。
 戦国時代には三春田村氏の出城(でじろ)として、三春城(舞鶴城)に移るまで利用された。
 その後伊達氏の時代を経、この城に本格的な石垣が築かれたのが、蒲生氏郷がもううじさとの時代である。氏郷の与力大名である田丸直昌が三春城より配され、城の改修を行った。
 以降、上杉氏等の支配を経て、1615年の江戸幕府による一国一城令で廃城となった。
 現在は守山小学校の横に蒲生氏時代の石垣が残る。城山八幡宮のある場所が、本丸跡である。

※守山史談会様より、正確な歴史について情報をいただきました。2022年12月、内容の訂正と追加を行いました。大変貴重な情報をご教示いただき、感謝申し上げます。

※散策の際に、守山小学校の敷地内には立ち入らないようご注意願います。

磨崖(まがい)三十三観音

黒石川の流れ。
岩に彫られた観音像。

田村町大供(おおとも)

 国道49号守山小学校入口から入り、東へ進んでいく。大供本地の集落が立ち並ぶ坂道が見えてきたら、家々の間を右へ折れる。黒石川がさらさらと流れる横の細い道沿いに、磨崖三十三観音はある。
「磨崖」というのは自然の岩壁を利用し、そこに文字や図像を刻んだもの。昔この地に悪疫が流行した際、村の有力者達が死者の冥福と村人の健康を祈り、ここに西国三十三観音を彫ったと言われている。西国三十三観音は、平安時代から続く巡礼信仰の対象である。江戸時代には時間をかけて回るのが困難な人達のため、各地でこれを模した短期巡礼型の三十三観音が造られた。ここもその一つである。

宇津峰(うつみね)

ここまで写真4枚:宇津峰山の頂上から。今回は谷田川のJAそばから林道に入り、終点まで走行後、登山した。急な上り坂ではあるが、距離がないため辛さはそれほどでもない。

田村町谷田川(やたがわ)、須賀川市塩田

 阿武隈山系に属する宇津峰山は、郡山市田村町と須賀川市にまたがる山である。南北朝時代の興国(こうこく)元年(1340年)に、鎮守府将軍として赴いた北畠顕信(きたばたけあきのぶ)が、守永(もりなが)親王を奉じてこの山に立てこもり、南朝方の重要な拠点とした。これはこの地を支配していた田村氏が南朝方にくみしていたことと、地形から自然の要害になり得たことが理由である。北朝方と熾烈な戦いを繰り広げたものの、正平(しょうへい)8年(1353年)に落城した。

 現在は郡山・須賀川の誇る人気の登山スポットである。山頂からは須賀川方面を一望でき、非常に眺めが良い。
 登山口はいくつかある。一番歩く時間が少ないのは、谷田川から伸びる舗装林道の終点からである。こちらには銘水・御井戸(おいど)の清水もある。他には栃本(とちもと)から入る方法や、須賀川市側から入る方法なども。なお、須賀川市側の入り口にも銘水があり、こちらは雲水峰(うつみね)清水という。

御井戸の清水
須賀川市側の雲水峰清水。
須賀川市側入口。

情報が古い、掲載が不適切な事項などありましたら、お問い合わせフォーム、あるいは以下コメントよりお知らせください。特に当事者の方や地元の方、何卒ご教示ください。

  1. 守山史談会会長 佐藤新一 より:

    三春田村氏は義顕の代に日和田の八丁目から三春に移りました。守山は三春田村氏の出城はありましたが、本城ではありません。この城を本格的な石垣のある城にしたのが蒲生氏郷の与力の大名である田丸直昌です。
    鎮守山泰平寺(現田村神社)に坂上田村麻呂公が祀ったのは一寸八分の聖観世音菩薩です。征夷に向かうときに自身の髷の中に納めてきたものを、この山に祀り、鎮守山泰平寺としました。今もこの観音菩薩像は年に2回ほどご開帳されてます。
    大元帥明王は朝廷の敵を調伏する仏様です。よって全国的に見ても存在が知られているのは4体のみです。こちらも年に2回ご開帳されてます。奈良秋篠寺の大元帥明王像は年に1回ご開帳されてます。

    • shirahoyu より:

      編集者の木村です。
      貴重な情報をありがとうございます。
      コメント欄を設置後、地元の歴史家の方からご教示いただけたのは今回が初めてで、大変嬉しく思います。
      近日中にご教示いただいた内容を本文にも反映いたします。
      ありがとうございました。

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