山国・南会津の林業 その魅力と未来 - 郡青ひなたweb
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森林と共に生きる

山国・南会津の林業
その魅力と未来

雪の中で強く育つ良質な木は、「保育」により守られてきた。再生可能な循環型資源として木を捉え、林業は地球環境を見つめた新たなステージへ移行しつつある。地域資源として魅力の発信にも一役買っている。

写真:伐り出された木。これから製材され、様々なものへ姿を変えていく。伊南村森林組合ご提供。

取材ご協力・写真ご提供・撮影ご協力:伊南(いな)村森林組合

伊南村森林組合
南会津町小塩字上ミ原80番地
TEL 0241-76-2103

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 南会津町は町の90パーセント以上を森林が占める、いわゆる「山国」である。古くから人々は山と共に生活し、木地師(きじし)の文化等も根付いてきた。林業をはじめ、スキーや登山などレジャー資源としても、山は広くこの地域の産業を支えてきた。
 西部地域は特に山深く、良質な木の産地として知られている。多くの林業者が、森林と共生し環境を守ることにより、地域の産業や文化を培ってきた。
 今回は伊南地区で林業に従事する「伊南村森林組合」にお話を聞き、南会津の木の魅力、そして林業の未来について探っていく。

雪起こしの様子。春になったらまず行うのがこの作業だ。
伊南村森林組合ご提供。
間伐の作業。様々に手をかけ、森林全体を守っていく。
伊南村森林組合ご提供
南会津町林業祭の様子。薪割りに挑戦する筆者。新そばまつりのすぐ横の会場だ。日曜日のみの開催となる。

保育を通して山の健康を維持する

 伊南村森林組合では、森林全体の環境を保全する観点から「保育」を行っている。文字のとおり、森林全体を健康な状態に育て、維持することを意味する。
 木を育てていく行程は長い。何もない土地であれば、地ごしらえをした上で植林をするところから始まる。草が長くなってしまった時には下刈りをし、光合成を促進する。折れたり曲がったりする木が出てきたら除伐(じょばつ)を、木同士が競合した際には間伐(かんばつ)を行う。また、商品としての価値を守るためには、枯枝ができるのを防ぐ、枝打ちも欠かせない。
 様々に手をかけるのは、自然なままで何もしないのは逆によくないからだ。適度に人の手を加えることで、木はより良い状態を保つことができる。それが製品としての木材の価値を高めることにもつながっていく。
 一般的に、「木を伐るのは悪いことだ」と思われがちであるが、それも保育の一環として必須である。適度に間伐をしなければ木に光が当たらなくなってしまうし、老木が増え過ぎれば若木にエネルギーがいかなくなってしまう。ある程度まで育ったら、伐採して利用した方が理にかなっているのだ。もちろん、減った分は植林をし、また新たに育て上げていくことを並行して行う。
 雪国独特の工夫もある。この地方では雪解けの春になると、「雪起こし」という作業を行う。冬の間、雪の重みで木は曲がってしまう。それを縄で引っ張り、まっすぐにすることで、正常に日が当たり生育するように矯正するのだ。雪国の木は、寒さに耐えた分だけ丈夫に育つ。南会津の木材は、寒冷地であるからこその良さを持っていると言える。
 組合は昭和27年から活動を開始し、森林を健康に育て上げてきた。保育が一定の成果を収め、新たに植林をする余地がなくなってから15年程が経過した。参事の河原田信弘さんは「これからは保育と同時に、木の利用にも力を入れていきたい」と語る。
 たとえば間伐をした木。以前は積極的に扱ってこなかったが、今後は間伐材として様々に利用していくつもりだ。特に燃料としての役割が大きい。伐った木を山で腐らせるのと、燃料として燃やすのとでは、出る二酸化炭素の量は変わらない。それならば、資源として利用した方がいい。そもそも、木材は二酸化炭素を吸収してできたものであるから、それが排出されたところで、大気中の絶対量は変わらないのだ。むしろ化石燃料の使用量が減ることで、限られた資源を守り、地球温暖化を防止する力になれる。
「これからは木の公益的機能に注目をしていきたい」と河原田さん。
 燃料としての有用性以外にも、洪水や水不足、土壌の流出を防いだり、防砂、防風などの役割も果たす。また、近年注目される森林セラピーのように、存在そのものが人々の癒しとなる要素も秘めている。
「これからの林業は、木の保全が公益に繋がるという意識でやっていくべきだと思っています。木は見ているだけで癒されます。多くの人達に是非魅力を体感してもらいたいです」
 現在、毎年10月のスポーツの日 前日の日曜日に、田島で行われる「新そばまつり」に合わせて「南会津町林業祭」が開催されている。伊南村森林組合の他、製材や木工に関わる事業者が集まり、様々な体験を提供している。観光客が喜んで薪割りに参加している姿を見ていると、多くの人達に魅力を伝える、良い機会になっていると感じられる。

南会津の木の魅力を味わうために

 では、身近な部分で木はどのような使われ方をしているだろうか。
 伐られた木は製材され、様々なものに形を変えていく。大きいものとしては建材だ。最近では鉄筋コンクリートの家が多くなったが、木造の良さも見直されている。高温多湿になる夏には湿気を吸いこんでくれるし、湿度が低い冬には、木材の側が湿気を吐き出してくれる。意外と火事にも強い側面があり、太い木は芯まで燃えることがない。表面が炭になって空気を遮るのだ。
 木材には平行な線が入っている柾目(まさめ)と、山の形に目がついた板目(いため)とがあるので、見比べてみるのも面白い。柾目は空気や水を通しやすく、使ったらすぐに乾かす風呂桶や、ご飯のお(ひつ)などに使用されている。逆に板目は空気や水を通しにくいため、味噌桶や酒樽などに最適だ。家具を見渡してみても、それぞれ柾目と板目が用途に応じて使われている。
 燃料としては、「スローライフ」を求める潮流の中で、薪ストーブが見直されつつある。トロトロとゆっくり燃えていき、石油ストーブやエアコンにはない暖かさがある。最近ではペレットという、おが屑を小さく成形したものを燃料に使う「ペレットストーブ」も開発された。煙も出さず、薪を割る面倒な作業もいらない。
「林業祭、様々なイベント等を通し、これからも多くの人達に南会津の木を、そして南会津町を知ってもらえるように努力していきたい」と河原田さん。
 放射能問題以降、風評被害に悩まされる中、山国・南会津では木を通して地元の魅力を発信していこうと、多くの人々が頑張っている。

市販の木材。左が柾目、右が板目。どちらも味がある。
伊南地区の製材業者さんに撮影させていただいたもの。切り出した木を建材などに加工する。

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