県道をゆく 235号羽鳥福良線 - 郡青ひなたweb
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県道をゆく

235号 羽鳥福良(ふくら)

荘厳な原生林の中を辿る、木々と清流の小径

取材ご協力:天栄村役場 産業振興課商工観光グループ、郡山市立湖南公民館

この道は積雪のため冬期は通行止めになります。
本文中でも触れていますが、かなりの隘路です。大きな車での通行、運転に自信がない方の通行はお勧めできません。可能であればバイク、軽自動車が好ましいです。林道通行と同様、通行の際には十分に注意し、自己責任でお願いします。天気によっては国道294号への迂回を積極的にご検討ください。

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 季節ごとに表情を変える風景を味わいながら、ゆっくりと道を走っていくと、漫然と通り過ぎているときには見落としてしまう、様々な魅力があることに気づかされる。それは自然に恵まれ、そこに築かれた文化があり、歴史があるからこそだろう。
 今回は会津七峠の一つ、「馬入(ばにゅう)峠」を走った。先人達が苦労して越えた峠も、現在は県道235号羽鳥福良線として整備されており、狭いながらも原生林に囲まれた涼やかな道だ。清流と緑の美観に魅せられながら、この歴史ある峠を越えてゆく。

天栄村側

 県道235号羽鳥福良線は、羽鳥湖の西、岩瀬郡天栄村田良尾(たらお)と、猪苗代湖の南、郡山市湖南町福良を結ぶ15キロ程の道。今回は天栄村側から北上した。
 峠までの道は赤石川の沢沿いに進み、太陽に照らされた木々の中をくぐり抜けていく。明神滝(みょうじんだき)をはじめ、水と緑がつくり出す景観も美しい。更目木(ざらめき)の集落を過ぎると峠道へと変わっていく。道は広くはないが、待避所が多く不自由はしない。

羽鳥湖
羽鳥湖

周囲16キロにわたる人造湖。人々が憩う天栄村のシンボル。夏場は貸しボートで湖面をめぐるのも涼やかでよい。秋は紅葉、冬は雪景色が美しい。
羽鳥湖岸から国道118号を西へ少々下り、大平の集落を右折で今回の主役、県道235号だ。

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写真は県道に入ってから振り返って撮影。この場所は2車線幅だが、すぐに1.5車線幅になる。

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間もなく黒沢集落方面へ分岐する枝道が現れる。この分岐地点から川を見下ろせば、美しい渓谷美が。この先の明神滝と共に見ておきたい。

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黒沢集落方面へ左折し、少し寄り道。
四季折々の美しい表情を見せる明神滝を見ておこう。比較的水量が多く、舞う飛沫が綺麗だ。紅葉も格別。

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県道へ戻って走行を再開。更目木の集落を過ぎると徐々に峠道へと変わっていく。「この先大型車通り抜けできません」の注意看板のとおり、この先は基本が1.5車線幅、狭いところは1車線幅になる。天栄村側は比較的退避できる場所がある。この先の走行は慎重に。

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きもり跡記念碑。
碑文には「山の神をきもりと称え、村草創の基を開く」といった内容が書かれ、山を守り、村を開いた先人達への敬意が示されている。

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道は木々の間を縫うように高度を上げていく。山深くなるほどに、木々の彩りが美しい。夏ならば一面の緑が、秋には紅葉が迎えてくれる。

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明神滝など、天栄村の景観についてはこちらの記事をご覧ください。

馬入峠(市町村境)

馬入峠。天栄村と郡山市湖南町の境。
積み上げられた土が山の地形に沿って長く続く。元は上杉氏が構築したとされ、その後戊辰戦争の際に、会津藩が官軍の侵入を防ぐために利用した。
現在は記念碑が建っている。

 やがて峠に辿り着く。切り通しのため眺望は臨めないが、車が止められる広さが確保されているので、降りて堡塁(ほうるい)跡を見てみよう。ここから湖南側へは道が狭くなるので十分に注意したい。

この場所を含む天栄村の歴史については、こちらの記事をご覧ください。

郡山市湖南町側

 湖南町側は極端に道路が狭い。しばらくは道路状況や対向車を気にして我慢しながらの通行になる。
 そうしているうちに徐々に辺りの景色が変わっていく。山深い風景に川のせせらぎが混ざり始め、鬱蒼とした木々に囲まれていく。この道のハイライトである隠津島(おきつしま)神社周辺だ。 社は古くから伐採が禁止されていたため、約200種類にも及ぶ植物群落が見られる(県の天然記念物に指定)。(すげ)川の流れを横に原生林の中を通り抜けていくのは、荘厳かつ神秘的な雰囲気だ。
 高度を下げ、だんだんと視界が開けてくると、馬入新田(ばにゅうしんでん)の広大な畑が。この辺りは春の水芭蕉で有名で、毎年ゴールデンウィーク前には美しい姿が見られる。
 口留番所跡を通り過ぎると、現代でもがらっと道のイメージが変わるのが分かる。2車線道がまっすぐに伸び、その行く先は福良の町である。振り返れば布引高原の風車群が山の上ずらっと並んでいる。
 湖南高校が見えてきたら、この道も終点。せっかくなので、県道番号がお隣の236号青松浜(せいしょうはま)線を辿り、猪苗代湖畔まで出かけてみるといいだろう。

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道幅はだいたい1車線。古くから交通の難所だったことが窺える。待避所も少ないので、細心の注意を。

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様々な植物が群生する隠津島神社周辺。菅川がすぐ横を流れる原生林の中を通過していく。

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隠津島神社。干ばつのときに社地の菅を取って雨乞いすると、必ず雨が降ると言われる。

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社殿(前写真)の奥へ進むと、風穴堂があり、神使いの蛇が棲んでいると信じられている。風穴には参拝者達が卵をお供えする

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ちょうど紅葉が美しい時期で、神社の裏から県道側を眺めると、イチョウの鮮やかな黄色が見えた。

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隠津島神社に程近い菅滝。原生林の中の神秘的な滝で、郡山市の「水にふれあう名所10選」に選ばれている。

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視界が開けてくると徐々に馬入新田の畑に差し掛かる。9月頃は蕎麦の花が綺麗な場所だ。この辺りは整備された2車線道と、1.5車線幅の未改良部分とが混じっている。

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馬入新田には水芭蕉の咲く湿原があり、4月下旬になると毎年美しい花を咲かせる。

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馬入新田には藩政時代の1667年に会津藩の口留番所が設置され、その門柱の土台石が近年発見された。集落の南側に目印となる大きな松の木がある。

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こちらは記念碑。県道は集落内をバイパスしており、記念碑があるのは旧道側。

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湖南高校付近(湖南町福良)で国道294号と交わり、終点となる。福良は昔ながらの家々が残されており、趣深い町並み。猪苗代湖へ向かうには、県道236号青松浜線へ入ろう。

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湖南町については下記特集ページで詳述しています。風景、歴史など満載ですので是非ご覧ください。隠津島神社、菅滝、水芭蕉群生地、口留番所も取り上げています。

湖南町特集ページはこちら

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