三春人形の魅力 - 郡青ひなたweb - Page 2
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高柴デコ屋敷

大黒屋

物産館やカフェなど、店舗や工房がデコ屋敷内に点在する。絵付け体験は「本家大黒屋工房」へ。団体の場合は事前に予約が必要。

大黒屋創作の、うっかりネコ(中央)と豆ダルマ(左右)。
豆ダルマは色によってそれぞれの効果を発揮する。

伝統―それは新鮮なもの

 大黒屋は高柴村に土人形の技法が伝えられた時から制作を続けている、歴史ある家系の一つだ。現在は21代目の橋本彰一(しょういち)さんを中心に、10人程の職人達が制作にあたっている。
 この家の特色は、若い職人が多いことだ。取材した日も、若手の職人達が真剣な目で制作と向き合っていた。
「伝統を守るには若手と熟練者とのバランスが大切だと思います」
 そう語る橋本さんも、30代(取材当時)の若き職人だ。幼い頃から先代である父の技術を間近に見ながら育ち、27歳の時に道を継いだ。以降、伝統の中に新しい風を吹き込んでいる。
 現在、実際に制作している作品は250種類程。昔から作られ続けてきた作品をしっかりと受け継いでいく一方で、新しい作品を生み出す努力も惜しまない。若手が多い分、新鮮なアイデアも多く生まれるのだ。
「歴史ある作品も、最初から完成された形だったわけではなく、発展を繰り返す中で今の形になりました。その発展の流れに私達が加わることが、伝統を守ることにつながると思うのです」
 スタンダードなものをしっかりと残し、それを糧に時代に合った作品も試行錯誤の中で生み出していく。
 たとえば、身近な動物であるはずの猫が干支に入っていないことに注目し、「うっかりネコ」という作品を生み出した。十二支の物語に猫を加え、きちんと意味付けも為されている。愛らしい姿が支持され、今では大黒屋の人気商品の一つだ。
「張り子というと、どうしてもぼてっとした形のものが多いですが、もう少しシャープなものも作れないかと考えています。極論を言えば、張り子でガンダムのようなものがあってもいいのです」
 新しい作品を考えるのが好きだと言う言葉どおり、新作へ懸ける情熱は大きい。そこから生まれるのは、民芸品という枠にはおさまらない、新たな可能性を持った作品だ。
「伝統産業というものは、新鮮な側面を持っています。様々な作品を通し、それを伝えていけたらと思っています」
 職人として、自分なりの伝統の守り方を確立することで、それが作品にも表れる。作品を手に取る私達の側も、きっと新たな魅力に気付かされることだろう。

制作は全て手作り。体験も可能

 民芸品の制作は、徐々に機械にシフトしていく方向にあるそうだが、大黒屋は手作りが何よりの特長だ。原材料も極力昔のままにこだわり、一つの作品に2週間程度をかける。それゆえ量産ができないので、販売はデコ屋敷やお正月の三春だるま市など、限られた場所だけになってしまう。その分、県の物産展への出展など、広く魅力を訴えかける機会を積極的に作っている。
「デコ屋敷に足を運んでいただき、興味を持ってくれる方が増えればと思います。お店に来るたびに新鮮に感じてもらえるよう、作品を作ってまいります」
 お店では、うっかりネコから三春駒まで、様々な作品に出逢える。
 なお、三春駒、お面、十二支、豆ダルマに関しては絵付け体験も行っており、個人客であれば随時受け付け可能だ。
 伝統は新鮮なもの―民芸品の新しい風を体感しに、デコ屋敷へ足を運んでみよう。

体験コース一覧

三春駒コース… 1,200円、20分〜
お面コース…1,200円、20分〜
十二支コース…1,000円、30分〜
豆ダルマコース…800円、15分〜

※制限時間は設けられていない。

三春ダルマ

 三春では毎年1月の第3日曜日にだるま市が開催されている。新年最初の市で縁起物を買い求める風習が元となり、現代では役場前でイベントも行われる華やかな行事となっている。昔は毎年一回りずつサイズの大きなダルマを買い足していき、8個揃うと古いダルマを交換するという習わしもあったそうだ。

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