二本松の秋を彩る 菊の祭典
二本松の菊人形
取材ご協力:二本松市産業部観光課
参考文献:「菊人形今昔 団子坂に花開いた秋の風物詩」文京ふるさと歴史館 編 / 平成14年 文京区教育委員会、「菊人形ガイドブック」川井ゆう 著 / 1999 ふみづき舎
日程:例年10月中旬~11月中旬 午前9時~午後4時まで
会場:県立
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二本松の秋は華やかだ。10月初旬の提灯祭りにはじまり、市内各所でお祭りやイベントが開催される。霞ヶ城公園で行われる菊人形は、その中で最もよく知られ、二本松の秋を象徴する行事の一つである。
菊人形は江戸の植木屋によって行われていた菊細工をルーツに持つ。これは江戸時代の文化年間(1800年代初期)に始まったとされ、花を別のものに見立て、動物や風景などを小菊で造形したものである。この時代は庶民が菊の栽培に親しんでいたこともあり、地方からわざわざ見物人が訪れるほどの人気を博していた。
これが徐々に歌舞伎の演目を模した菊人形へと形を変えていき、明治9(1876)年には東京の
二本松では、江戸時代に松山
この人形であるが、毎年同じ物が出ているわけではない。コンセプトが決められ、それに沿って造られているのだ。ここ20年程はNHKの大河ドラマからテーマを選出してきた。菊人形は江戸時代から普及してきた歴史もあって、基本的に洋装には馴染まない。そのため「歴史的なもので皆が知っているテーマ」を選ぶと、大河ドラマが最適だったのだ。
制作は菊師・人形師・大道具師などと呼ばれる人達の手により行われている。皆その道の専門家で、特に下地である
まずは骨格を組んで
展示後の世話も欠かせない。水苔で根を巻くことにより、ある程度の保湿性は保たれている。それでも1日に何度も根の部分に水をやらなければならない。このような知恵と努力があり、期間中は2回程度の着せ替えで済んでいるのだという。もっとも、この衣装替えが見る側には却って面白い。衣装が変わると、同じ人形でもどことなく違った印象を持つ。菊が最も見頃を迎えるのは11月初頭だと言われているが、シーズンの前と後ろで見比べてみるものいいかもしれない。
執筆年である2012年のテーマは「平清盛」(2012年大河ドラマ)、「八重の桜」(2013年大河ドラマ)、二本松少年隊(郷土史)の三本だ。先述したとおり、大河ドラマに沿って毎年テーマは変えられている。新たな人形はどんな造形となるのか、年ごとの楽しみである。
なお、会場では、人形以外にも「
県の愛好者達の菊が集結する菊花品評会も、2年ぶりに開催となった。色とりどりの自慢の菊が、会場に賑わいを添えてくれる。丹誠込めて育てられた花々を見ていると、菊栽培、菊人形への人々の想いが伝わってくる。来場の際には併せて注目したい。
例年、霞ケ城の紅葉も菊人形の開催と時期を同じくして訪れる。染まりゆく木々を眺めながら、二本松の誇る伝統行事をゆっくりと楽しみたい。
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