長い幡を揚げることが木幡の特色
国内に「旗祭り」自体はいくつか存在するが、木幡は他地域とは違う大きな特徴を持つ。それは9mにもなる長い幡を持ち歩く点である。重量は実に8キロにも及び、それが総勢100本程度で行列する。華やかなはずである。他地域との違いを強調するため、地名の漢字を宛てがって「幡祭り」と称しており、旗のことも「幡」と表記する。それだけの誇りを地元の人達が持っているということである。
この幡はかつては反物地で作られ、祭礼が終わった後は浴衣や布団に使用された。身につけることによって神のご加護に預かり、健康維持になると信じられていたためである。それが一枚、二枚と変わっていくうちに反物地の幡は姿を消し、現在の五色の幡へと姿を変えた。
幡の作成は9つの堂舎で行っている。材料である竹に藁を巻いて整え、縫った幡をくくりつける。統一感を出すため、衣装も白い装束で揃える。基本的に地元の人達による行事であるが、毎年
見所は本殿前や胎内くぐりなど
朝の9時頃出立式を行い、10時頃から歩き出す。第二社務所に立ち寄ってお昼休憩、午後は林道
見所はやはり幡の美しさ、勇壮さに尽きる。中でもゴールとなる隠津島神社本殿前は、幡を持った人達が全速力で階段を駆け上がり、勇壮さに一層の拍車がかかる。林道を行列中には、高低差を利用し随所で行列の全景を眺めることも可能だ。
なお、行列以外にも是非見ておきたいのが、途中の羽山神社で行われる「
地形的に狭い場所で行われるため、なかなか正面から見ることは難しいが、祭礼が本来持つ厳かな側面が見られる儀式である。
参加者を増やし、外部の行事にも参加していく
第62代宮司の安部匡俊さんは、「この祭りには負け戦を勝利へとつなげていくロマンがある」と語る。現代においては戦勝祈願は人々の様々な願いへと変化したが、参加者達が大きな気構えを持っていることに変わりはない。
「重い幡を持って列を乱さずに行列している様からは、各人の気持ちを感じてもらえることと思います」
今後も少子高齢化の波に飲み込まれることなく、参加者を増やしていきたいとのことだ。一本の幡につき、最低五人、また一本二万円の金額が必要にはなるが、やりたいという人がいれば受け入れていく方針だ。
また、より広く認知してもらうために、外部の行事にも積極的に参加していく。2012年は郡山市で行われた「ふるさと祭り」など、いくつかの行事に参加した。過去には大阪御堂筋パレードにも3回参加している。
「魅力を知ってもらうことで、より多くの方に幡祭りを見にきていただきたいと思っています。写真コンクールもありますので、ぜひ奮ってご出品ください」(安部宮司)
今後も東和地区を代表する祭りの一つとして、より発信力を高めていく。
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