鴫山城跡 - 郡青ひなたweb
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福島県指定史跡

鴫山(しぎやま)城跡

町のシンボル愛宕山に、中世築かれた歴史ある山城

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取材ご協力:ミナトグループ 湊田幹夫さん、まちの案内人 小椋宏夫さん
歴史事項文章協力:高良和弘さん

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ここからゆっくり散策を始める。
復元された大門石垣。
愛宕神社本殿前の仁王門・仁王像。
愛宕山山頂の愛宕神社本殿。紅葉の11月上旬撮影。
山頂から田島の町並みを望む。

鴫山城は田島観光の拠点。
ゆっくり街歩きを楽しもう。

 会津田島駅に降り立つと、正面に小高い山が見える。町のシンボルとして町民に愛される愛宕山(あたごやま)だ。この山の地形を利用して築かれた山城が、「天地人ゆかりの地」としても注目を集めた鴫山城である。

 この地は南山(みなみやま)とも呼ばれ、かつて長沼氏の所領であった。鴫山城の詳しい築城年代は不明であるが、長禄(ちょうろく)3年(1459年)に山内越中と白川氏が「南山しき山の城」を攻め落としたという記録が残されている。
 その後、天正(てんしょう)18年(1590年)に会津領主となった蒲生氏郷(がもううじさと)の家臣である小倉作左衛門孫作(さくざえもんまごさく)(行春(ゆきはる))が城代となった。上杉氏の時代には直江兼続(なおえかねつぐ)の弟・大国実頼(おおくにさねより)が城代となるが、慶長(けいちょう)5年(1600年)の関ヶ原の戦いの後、再び蒲生氏が会津領主になって、また小倉作左衛門孫作が城代となった。しかし一国一城令によって、寛永(かんえい)4年(1627年)加藤嘉明(よしあき)が会津藩主となった際に廃城となった。

 この歴史ある山城を可能な限り復元しようと昭和48年から地元の有志が立ち上がり、昭和50年に「鴫山城址史蹟公園建設促進期成同盟会」が設立される。田島は南会津地方の中核都市。その個性を生かし、都市的機能の中に街中観光の拠点づくりを進めていくのが目的だ。鴫山城を中心とし、観光客に田島の街を歩いてもらう。
 折しも浅草と会津若松が一本のレールで繋がれる計画が進行中で(現在の東武鉄道、野岩(やがん)鉄道、会津鉄道)、首都圏から観光客を呼び込みたいという強い想いがあった。 このルートは昭和61年に野岩鉄道が開通したことにより、全線開業している。

 会の結成当初から尽力し、会長を務める湊田(みなとだ)幹夫さんは「田島の街を特徴付ける資源として鴫山城を捉え直し、田島の持つ魅力を伝えていきたいと思った」と結成当初の想いを語る。
 愛宕山山頂には愛宕神社が祀られ、山頂まで散策路が通っている。その整備や案内板の設置、石垣や堀の復元など、史跡として多くの人が楽しめるような形を目指した。
 昭和57年には県の指定史跡になったことにより、教育委員会の協力を得られ、それが整備に拍車をかけた。
「観光客の方に楽しんでもらえるだけではなく、歴史的価値がある場所だということが町民にも伝わり、心の拠所(よりどころ)になっていった」と湊田さん。

 愛宕山は田島小・中学校の校歌にも歌われるなど、町のシンボル。平成21年からは10月のスポーツの日 前日の日曜日を利用し、「鴫山城まつり」と題し、歌舞伎の上演を行なってきた。平成23年の公演では鴫山城をテーマにした創作歌舞伎「蜘蛛糸(くものいと)鴫山騒動 鴫山城中の場」を上演するなど、イベントを通して地元の歴史や文化を伝えている。(※残念ながら鴫山城まつりは平成23年にて終了となった)
「今後は保護と活用がテーマ。町のイベント等を通し、より多くの人に魅力をアピールしていきたい」と湊田さん。
 愛宕山は標高749メートルと、散策にそれ程構える必要はない。山頂からは田島の街や山並みが一望でき、一見の価値がある素晴らしい景色だ。散策路で鴫山城址を一周することができるので、案内板を参考に史跡歩きを楽しむのもよいだろう。また(うがい)清水から山頂までの間には樹齢100年を超えるイチイやモミ等の大木も多く、思いがけず豊かな自然に包まれることもできる。
 祇園祭の季節はもちろん、雪の積もる冬期以外は通年自然と共に歴史を楽しめる。田島が誇る史跡を、是非歩いて体感してみてほしい。

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