南郷の早乙女踊り - 郡青ひなたweb - Page 2
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2011年から灯すようになったキャンドル。踊り子の行く道を照らし出す。
踊りも佳境、公民館にて。家の座敷より広いため、見やすいといえば見やすい。ただ、本来の雰囲気は、やはり家の座敷が勝る。
最後は深々と礼をして終わる。

2012年鴇巣の早乙女踊り

 2012年1月14日、鴇巣地区に足を運び、新年行われた早乙女踊りを見学してきた。

 雪がしんしんと降りしきる中、午後6時頃には公民館に続々と人が集まり始め、「早乙女の夜」は賑わいに包まれていく。やや緊張した面持ちの踊り子達は、地元南郷中学校の生徒達だ。今回は3年生が3人、2年生が1人であった。
 皆で予行演習を行った後、家々を回る。この日回った家は4軒。どの家も客人をもてなす準備で慌しくしていたが、早乙女達を先頭に唄い手の集団が登場すると、座敷は伝統芸能の舞台へと雰囲気を変えていく。
 集落の人達は息もぴったりに唄い始め、早乙女達は凛とした様子で踊り始める。途中、2人の道化が入り、賑やかな雰囲気を醸し出す。
 神様への奉納であるとは言え、これは予祝舞であり、かつ新年の祝いの意味も込められている。やはり明るく華やかな雰囲気が似合う。雪の冷たい空気の中だからこそ、その華やかさが温かなものとして感じられる。

 早乙女達が次の家へと移動していくと、唄い手の集団も共に移動していく。次の家、また次の家と、順々に回っていくのだ。
 早乙女達が帰った家の座敷には、今度は客人のための御馳走が並べられ、盛大な宴が始まる。親戚縁者、近所の人、時には一般の観光客も招かれ、わいわいがやがやと盛り上がっていく。
 早乙女達の歩く道には、2011年からところどころにキャンドルが灯されるようになった。一軒、また一軒と歓迎を受けながら踊りを披露し、最後は公民館で幕を閉じる。各家々でもてなしを受けていた人達も一斉に集まり、皆で華やかに唄い、最後の踊りに華を添える。時間も夜9時近くになり、いよいよ佳境である。早乙女の少女達も、一日の集大成として目一杯踊る。
「間違ったところもありましたが、家々の皆さんに喜んでもらえてよかったです」と、中学3年の近藤さん。脚光を浴びて疲れもしたが、何よりもやり遂げた達成感が感じられたという。
 その後の大宴会では、地域の人達の笑顔が絶えない。1年に1回のこの日を本当に楽しんでいるのが見て取れる。
「早乙女の夜は、やはり鴇巣の人達にとって特別なものなんです」と事務局の酒井さん。
 伝統芸能を通し、皆で盛り上がる。それにより、地域の結びつきもより緊密になっていくのだろう。

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