福島県重要無形民俗文化財
南郷 の早乙女踊り
地域の絆を強くする、新年に行われる少女達による伝統の踊り
写真:2012年早乙女踊りより。座敷で踊る早乙女と、二人の道化。
取材ご協力:取材ご協力:
参考文献:南郷村史
鴇巣の早乙女踊り
例年1月中旬の土曜、19時頃から
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中断されずに続いてきた、地元の伝統行事
南郷は南会津町西部地域の中では北部に位置し、気候の特色を生かした「南郷トマト」の生産で知られている場所。早乙女踊りはこの地で古くから受け継がれてきた伝統芸能だ。
広くは「田植踊り」として東北地方で発展してきたもので、会津では「早乙女踊り」の名が付されてきた。年神様や田の神様に対し、前年の収穫への感謝と、その年の豊作への願いを込め、踊り子達が独特の踊りを披露する。文化年間(1804年~)には既に成立していたとされ、会津盆地から徐々に伊南川沿いの各地に広まったと言われている。
現在、南郷地区ではいくつかの集落でこの踊りが保存・伝承されているが、今回の取材では伊南川西部の
鴇巣の早乙女踊りは、古くは旧暦1月14日に、現在は1月中旬の土曜日の夜に行われている。鴇巣出身で、会津藩主の家臣に仕えていた馬場
踊りの舞台は各家の内部だ。見に訪れる人達を酒やご馳走でもてなし、客人と共に1年の喜びを分かち合う。最近では家々を回った後、公民館でも踊りを披露しており、観光客など外部にも魅力を伝えていけるよう尽力している。
かつては夕刻から早朝までの長い時間をかけ、70軒近くある集落全ての家々を回ったそうだ。現在は事前に希望を募って、その家のみを回る方式に変更された。回る家は減ってしまったが、地元の人達が心待ちにしている行事であることに変わりはない。
子供達が地元に愛着を持ち、地域の結び付きも強まる
この踊りの一番の特色は、少女達が主役となり踊っているところだ。開始当時は男子が踊りを担当していたが、時代と共に変化し、現在は中高生の少女達が担っている。途中で道化が2人入ってくるのだが、そちらは高校生の男子達。ただし揃わない場合は、若手の男性が担当することもある。
年明けから練習を始め、振り付けなどを覚える。踊り子3〜4人と道化が2人、それに太鼓と笛、唄い手が付く。唄い手は小学校に上がる前の子供達から小中高生、さらに保存会の面々と、幅広い年代が担当する。合わせると50人程の編成となる。
8分という長い時間を一定のパターンで踊るが、途中で入ってくる道化が面白おかしい動作で場を盛り上げ、退屈させない。
前後左右に動きを付けながらの踊り方は、鴇巣独特のものだ。唄の良さも自慢だという。
踊り子の少女達は、のびのびと楽しんで踊る。皆「中学生になったら踊れる」と心待ちにしているそうだ。それは、周りの大人や先輩達が魅力を伝えてきた所以だろう。
毎年指導に当たっている鴇巣早乙女踊り保存会の酒井惣一さんは、この行事を通し、子供達が地元に愛着を持ち、成長していく様子を嬉しそうに語ってくれた。
「子供達に魅力を伝え、この伝統が脈々と受け継がれていくよう、保存会として尽力したい」と酒井さん。
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