ぬくもりの宿
木賊 温泉 井筒屋
日本秘湯を守る会 会員
深い山々に囲まれた、奥会津の秘湯・木賊温泉。急な坂道を下りていくと、西根川の流れに寄り添うように立つ小さな宿が。川のせせらぎを聞きながら、野趣溢れる岩風呂に入れば、心までほっこり温まる。寒い冬だからこそ、心に沁みる情緒に酔いしれたい。
井筒屋
住所:南会津郡南会津町宮里字湯坂1988
電話:0241-78-2452 (ご予約はお電話で)
チェックイン15時 チェックアウト10時
休館日は不定につき、お問い合わせください。
(12/31~1/2はお休み)
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木賊と書いて「とくさ」と読む。この不思議な名前は山間の湿地に生えるシダ植物からきている。茎が砥石のように強く、昔はヘラなどの木工品を磨くのに利用した。非常に生命力が強く、2、3本植えるとすぐにたくさん増えるそうだ。それで「木の賊」という字が宛てられたのかもしれない。
木賊温泉は、温泉地が多い南会津の中でもかなりの山奥に位置する。国道352号から
温泉の発見は、
川沿いにある岩風呂へ下りていくのは、まさに現代の「隠し湯」の趣。ここは地元の人や観光客へ開かれた共同風呂で、休日になれば秘湯ファンで賑わう。川がすぐ横を流れる屋根を付けただけの半露天で、野趣満点だ。川床から温泉が湧き出ており、岩を掘って作った湯船につかる。やや熱い湯温は、露天にはちょうどいいだろう。
洗い場がなかったり、混浴だったりと、若干ハードルが高く感じられる部分もあるかもしれないが、入ってしまえば気持ちいいことこの上ない。入湯料は200円。宿泊の人は無料である。なお、近くの旅館・民宿で女性向けに湯浴み着を貸し出している。(クリーニング代として200円) 温泉の入り口には女性向けの更衣室も完備されている。
さて、今回の宿である井筒屋へ下りて行こう。「下りる」という表現をしたのは、旅館は急な坂を下った先にあり、川べりに立っているからだ。
創業は明治後期。現在の場所で旅館を始めたのは、昭和29年だという。8代目のご主人、橘和成さんとおかみさんが切り盛りする、家庭的で温かな雰囲気の宿だ。
館内は昔ながらの旅館といった趣で、決して華美になることなく、落ち着いた雰囲気だ。案内された部屋からは目の前に川が見えた。
「季節によっては、泳いでいるイワナも見えるんですよ」とご主人。
それだけ綺麗だということだ。ただ、川が見える部屋は数が限られているので、気になる方は予約の際に確認しよう。
温泉は男性用の岩風呂と、女性専用風呂の2つ。午後8時半からの1時間は、女性へも岩風呂が開放される。ここの温泉も、先述の共同風呂同様、川べりへ階段を下りていく。館内ではあるが、石の階段が雰囲気を盛り立ててくれる。木窓を開ければ川を目の前に、せせらぎを聞きながらお湯につかることができる。
泉質は硫黄泉だが、pHが8.5とアルカリ性で軟らかい。あせも等の皮膚炎、痔などに特に効能があるとのこと。肌にまとわりつく感じが女性には嬉しいのではないだろうか。適温かつ、山の自然に包まれている雰囲気で、いつまでも入っていたくなる。
お風呂を上がれば、もう一つの楽しみ、夕食である。山の幸でいっぱいの、豪勢な食事だ。
山菜、舞茸ごはん、イワナの塩焼き、珍しいイワナのお刺身、合鴨の焼き物、舘岩名産の赤カブ、蕎麦など、多種楽しめる。時期によるが、熊がとれた時には熊汁も提供される。都会の人には珍しいものばかりではないだろうか。お酒でも飲みながらゆっくりと味わいたい。
なお、2名までで宿泊の場合は、料理を部屋まで運んできてもらえる。
今回の宿泊は、厳冬期の2月であった。この季節は、雪道こそ大変かもしれないが、景色は最も美しい時期である。寒い時期だからこそ、熱い温泉が嬉しい。西根川の風景は四季を通して美しく、紅葉や新緑の時期も、また色彩豊かな風景を味わえる。
現在、地区の温泉のご主人達で「
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