新たな地域文化の創出に取り組む、伊南発・創作和太鼓グループ
久川 城太鼓
取材ご協力:久川城太鼓 会長 馬場
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地域の魅力を後世に残すため、平成の世に生まれた和太鼓集団
久川城跡は
この歴史ある城をより強く外部にアピールし、後世に残していけるものをつくりたいという想いから、平成元年に誕生したのが久川城太鼓だ。竹下登内閣の元で行われたふるさと創生事業の後押しもあり、久川城のお膝元である青柳地区の若者が集まって組織された。
形態は複数の和太鼓による組太鼓だ。バックに曲などは一切流さず、太鼓のリズムだけで音を作り上げる。それだけに技量が問われるところだが、結成当時、世界的に活躍する和太鼓集団「
曲のテーマは地元の歴史や風土に根ざしたものが多い。たとえば「
太鼓で地域の輪を広げていきたい
会長の馬場英智さんは、自分達の演奏を「鳴らすというよりも打つ感じ」だと表現する。実際に聞いてみると魂のこもった演奏に圧倒される。
「太鼓と戦っているような気持ちで、とにかく心を込めます。身体にドンと響くものがなければ、聞いている人も感動してくれませんからね」
現在メンバーは8人ほど。年が経つにつれ、皆仕事が忙しくなり、なかなか時間が取れないのが悩みどころだ。それでも週2回の練習は欠かさない。
公演は年に5、6回ほどで、県の太鼓フェスティバルや、9月に行われる南会津太鼓まつり、10月の伊南川古町温泉あゆまつり等。また、依頼があれば様々な場所で演奏している。過去には経済産業省が主催する伝統芸能の大会や、静岡の浜名湖花博などでの演奏経験があり、かなりの大舞台も踏んできた。
「太鼓を通し、地域の輪をさらに広げていきたいと思っています。人と人との繋がりもつくれますし、地域のアピールにもなると思います」と馬場さん。
現在、地元の伊南小学校の3・4年生を対象に、定期的に太鼓の指導も行っている。20年以上も続けば、立派な郷土芸能と呼べるのではなかろうか。太鼓を通し、子供達へ伊南地区の魅力を伝えると同時に、自己表現の場も与えている。
「勉強や運動が嫌いでも、音楽でなら自分を表現できる子もいるはずです。みんなどこかしら素晴らしいところがある。子供達に様々な可能性を教えていきたい。その中で、後継者も育ってくればありがたいことです」
メンバーの子供が入ってくるなど、地元では郷土芸能としてすっかり定着している。伊南の新しい魅力として、地域の子供達の想いを乗せ、さらに盛り上がるのはこれからだ。
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