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田村町

長い歴史に裏付けられた史跡の数々と、雄大な風景を味わう。市街地に近いエリアから山間まで、歴史を感じながら周ってみよう。

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 田村町は郡山市南東部に位置し、阿武隈高地の山々を背に、雄大な景色が広がる町だ。阿武隈川や谷田川が流れ、水に恵まれ生活を営みやすい地であったことから、原始時代から人々が生活していたと言われている。それゆえ史跡が数多く存在し、歴史に彩られた文化が薫る町の表情をつくり出してきた。
「田村」という町名は、坂上田村麻呂に由来すると言われている。田村麻呂が蝦夷征討のためにこの地を訪れ、その子孫が田村氏を名乗り、長くこの地を治めたことが元になっているのだ。田村麻呂が守護神を祀った田村神社は、何度かの名称変更を経て現在まで続き、地域の人々の心の拠り所となっている。
 今回は郡山市街地に比較的近い阿武隈川沿いから、阿武隈高地に抱かれた東部まで、ゆっくりと町を巡り、その魅力を味わっていく。

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アクセス

本誌掲載地点をピックアップしています。あくまでも概略図ですので、大まかな位置関係を掴んだら、Google Map等をご利用ください。

 町へのアクセスには国道49号を使う。この道は町を横断するように走っており、各所へ向かうには便利である。大きな道路ゆえ、幹線の一部として通り過ぎてしまいがちだが、少し立ち止まってみれば、様々な史跡や、日本の農村らしい原風景に出逢える場所が多い。
 公共交通では電車とバスが使える。電車では水郡線の磐城守山・谷田川(やたがわ)駅が田村町の範囲内。ただ、電車は性質上、駅周辺の散策には向いているが広域の移動には向かない。なお、水郡線は矢田川から南側に進路を取るため、より東側の地域に向かう場合は利用できない。
 バスは福島交通が郡山駅から石川郡平田村の蓬田まで走っている。大方国道49号を通っていくバスなので、国道沿いの目的地で時間さえ合えば、ある程度は利用できるかもしれない(本数が少ないので必ず時刻表をチェック)。なお、田村町内では御代田(みよた)から水郡線の線路沿いに走る正直行、田母神(たもがみ)から山間へ入っていく馬場行も走っていたのだが、2020年で廃止になった。

CONTENTS

田村町の史跡と風景

下行合(しもゆきあい)徳定(とくさだ)といった阿武隈川に近い地域から、守山、矢田川、糠塚(ぬかづか)、田母神と名所・旧跡を辿る。大安場古墳、田村神社といった広く知られた名所から、隠れた絶景ポイントまで幅広く紹介する。