海老根 伝統手漉和紙 - 郡青ひなたweb
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海老根(えびね) 伝統手漉(てすき)和紙

山間の地に静かに息づく伝統の技。和紙を使った光の祭典、秋蛍は圧巻。

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取材ご協力:海老根伝統手漉和紙保存会 熊田英重さん

秋蛍について
例年9月中旬の土曜・日曜(柳橋歌舞伎と同日)開催
場所:海老根和紙工房周辺(屋外)
アクセス:県道65号小野郡山線、中田町海老根
お問い合わせ:海老根秋蛍実行委員会(TEL 024-943-4264)
なお、紙漉の体験教室については12月~3月に同電話番号へお問い合わせを。1回につき20人まで可能。

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暮らしに静かに息づく伝統の技

様々なものに加工された和紙。うちわやハガキはもちろん、中田公民館の職員の方々の名刺にも使われていた。地元に深く根付いた伝統工芸を、今の暮らしに広く生かしていくための工夫が感じられる。
子供達一人一人が手作りする卒業証書。自分がこの町で育ってきたことの証だ。

 海老根地区では和紙の原料である(こうぞ)が多く取れたことから、美濃の国から紙漉(かみすき)技術が伝えられた1658年頃(江戸時代)より、冬場の仕事として紙漉が行われてきた。一時期は地区の全戸にあたるおよそ80戸で紙が漉かれており、明治30年代からは大判の紙も取り扱ってきた。昭和63年に人手不足などからいったん中断を余儀なくされたものの、伝統の灯を消すまいとする人々の想いにより、平成10年に復活。長い歴史の中で、海老根の伝統和紙として地域に根付いてきた。

 この和紙の魅力について、海老根伝統手漉和紙保存会事務局長の熊田英重(ひでじゅう)さんは、「何といっても紙が生きているところ」と語る。楮とトロロアオイのみで作られているので、最初は黒味がかっているが、歳月が経つほどに白くなっていく。まさに紙が「生きて」いるのである。

 昔は障子紙の生産が多かったようだが、今は様々なものに加工されている。地元の小中学校では卒業証書を自分で漉くのだそうだ。幼い頃からこういった伝統に触れるのは子供達にとってよい経験だろうし、卒業への思いも格別なものになることだろう。

 現在は毎年12月から3月までが制作期間。その間体験教室を行ったり、教育機関へ出向いたりもしている。
「少人数である上、期間中は休みもなく大変なところもありますが、その分制作への喜びも大きいんです」と熊田さん。若い人に魅力を知ってもらい、その中から後継者が生まれることを願っている。

 例年9月中旬の土日には、和紙灯で町が包まれる「秋蛍(あきぼたる)」が開催される。海老根和紙工房周辺の道に灯籠が飾り付けられ、色鮮やかな光の列が作り上げられる。やわらかな光に包まれて、その名のとおり無数の蛍が舞っているかのようだ。秋へと変わる季節を彩り、見るものを優しい気持ちにさせてくれる。
 なお、2012年からは市主催により、、3月に「春蛍」が郡山市街地にて行われるようになったようだ。和紙の持つ奥深い魅力に触れてみよう。

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