唐傘行灯 花火
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秋の夜空に鮮やかに咲き誇る、伝統の灯
富岡は
この花火は富岡の
名前のとおり、導火によって唐傘が開き、そこから雨のように光が降り注いでくる仕組みになっている。唐傘は角形をした枠行灯の上に取り付けられ、綱火によって枠行灯部に火が移ると、花火が四方に飛び散る。それが導火となるのだ。
この花火の歴史は古く、明治初期に豊作祈願や雨乞い、家内安全のために始められたと言われている。途中、冷害の年などに中断を余儀なくされることもあったものの、平成の現在まで永く受け継がれてきた。今では郡山市の伝統行事の一つとして定着しており、遠方からはるばる見物に訪れる人も多い。
このような形態の花火は全国的に見ても非常に珍しく、降り注ぐ光には普通の花火では味わえない美しさがある。毎年10月のスポーツの日の前日にあたる日曜日に行われており、夜空に合計250発の花火が打ち上げられる。夏の花火とは違い、秋だからこそのしっとりとした情緒を味わうことができる。
繊細なものだからこそ美しい
色鮮やかな秋花火
この花火について、唐傘行灯花火保存会の近江甲一さん(※当時所属)にお話を伺った。保存会には14名の方々が在籍しており、運営や会場警備、枠行灯の保管など、様々な業務を行っている。念入りに準備を重ねているが、最も気を揉むのは当日の天気なのだと言う。
「唐傘は風が強いと折れてしまいます。雨も厄介ですね。でも、そういった繊細なものだからこそ、無事成功したときの美しさは心に沁みるものがあります」
郡山はただでさえ風が強い地域。気候が変動する秋は尚更だろう。だが保存会の方々の想いの分、その魅力は、確実に見る者へ伝わっている。最近は地元の若者も積極的に参加しているとのことで、地域が一体となって文化を継承していこうとする姿勢が見て取れる。
「毎年素晴らしい花火を皆様にお見せできるのを、私達も楽しみにしています」
そう語る近江さんからは、花火に対する強い誇りが感じられた。
※近江さんは既に保存会を引退されていますが、記事は取材時のまま掲載しています。
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