湖南町 - 郡青ひなたweb
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湖南町

猪苗代湖の青と稲穂の黄金に包まれながら、どこか懐かしい町並みを歩く。
布引高原の風力発電が、すっかり市の観光地として定着した今、意外と知られていない場所や、「何気ない美しさ」に迫る。

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 猪苗代湖の魅力を体感するのに、湖南町ほど適した場所はない。様々な観光地を擁する湖北(耶麻(やま)郡猪苗代町)に比べ、地味なイメージがあるかもしれないが、その分落ち着いた雰囲気の町並みが残り、名所や旧跡にも恵まれている。浜辺はどこも美しく、夕方になると夕日が山並みをくっきりと映し出す。
 ここは郡山市の最西端に位置し、北は猪苗代湖、東西南は山に囲まれた山間の高冷地だ。夏は涼しく、冬は磐梯山からの風の影響で寒さが厳しい。郡山市で唯一豪雪地帯に指定されており、積雪も多い。総面積は市全域のおよそ20%をも占めているが、その多くが豊かな自然であり、人口はおよそ3800人程の過疎の町である。しかし、そこにはしっかりとした文化が根付いている。古くは二本松藩と会津藩との狭間であったため、その歴史が独特の民俗や文化を残したのであろう。
 私が最初に取材した初秋は、湖水浴で賑わう夏を終え、町全体がどこか切ない美しさに包まれていた。この一帯では、秋は農作物の恵みを授かる季節である。町を歩けば、稲穂の黄金色や、真っ白な蕎麦の花が景色に華やかな彩りを添えている。それはまるで、農家の人達の一年の苦労を労っているかのようにも思えた。
 ここでは何気ない町の風景が心に触れる。それだけ町の自然と人々の日々の暮らしとが、密接に結びついているということだ。豊かな自然も、何気ない町角の風景も、まるで映画の一シーンのように息づいているように思えた。
 現在は、三森(さんもり)トンネル、黒森トンネル共に完成し、郡山市街からも会津若松市街からもアクセスが良くなった。布引高原の風力発電群も、郡山市の観光地としてすっかり定着してきた。観光名所以外にも、きっとお気に入りの場所が見つかるはず。湖からの風を感じながら、ゆっくり歩いてみるのもいいだろう。

取材ご協力:郡山市立湖南公民館、湖南民俗研究所 橋本勝雄さん
お問い合わせは、郡山市立湖南公民館、または本誌編集部まで
郡山市立湖南公民館:TEL 024-983-2543

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アクセス

赤文字が特集箇所、緑文字が風景紹介箇所になります。位置関係を掴んだら、詳しくはGoogle Map等をご利用ください。

 郡山市街地からは県道6号郡山湖南線を利用する。かつては隘路が多い道だったが、現在は三森(さんもり)峠付近の改修工事が終わり、全体が二車線の快適な道路に変わった。
 国道49号方面からは上戸浜(じょうこはま)交差点より県道9号猪苗代湖南線に入る。途中まで猪苗代湖畔を走る景色の良い道路だ(冬期は凍結で走りづらい)。
 会津若松方面からは国道49号と強清水(こわしみず)手前の石山交差点にて分岐し、国道294号線へ入る。この道は猪苗代湖の西岸を走るルートだが、湖からは離れているため、眺望はほとんどない。田園風景と古くからの街道を楽しむ道だ。
 須賀川・白河方面からは、江花にて国道118号と分岐し、国道294号で勢至堂(せいしどう)峠へ。こちらも道路の改修が進んでおり、間もなく快適なルートになるだろう。
 湖南町では例年11月中旬から下旬に初雪、12月からは徐々に本格的な雪景色へと変わる。来訪には必ず峠を越えてくることになるため、11月中旬以降はスタッドレスタイヤの装着が望ましい。
 なお、電車・バスも少ないながらも利用可能。磐越西線の上戸(じょうこ)駅から会津バスが出ており、猪苗代湖東岸を通って湖南町をぐるっと回り、最終的に勝田内(かつたうち)まで運行されている。(一部は磐梯熱海駅発) ただし、上戸駅自体が磐越西線の各駅停車しか止まらない上、バスの本数も少ないため、スケジューリングをきちんとしなければならない。現実的には郡山や会津若松からレンタカーが無難だろう。公共交通では、この他西若松~会津若松~湖南高校の会津バス、郡山市の大槻車庫~湖南高校の会津バスが出ているが、いずれも通学需要に対応した路線のため、観光で使うのは現実的ではない。

CONTENTS

湖南の名所・旧跡など

史跡や文化資源で溢れる湖南町。城跡や神社、大仏、千手観音、焼き物など注目するべき名所がたくさんある。風景では布引高原、馬入新田(ばにゅうしんでん)の水芭蕉、菅滝などを紹介する。

猪苗代湖の風景・風景10選

湖南町に来たら、猪苗代湖のいろいろな風景を見てほしい。青松浜(せいしょうひん)、鬼沼など風景が特に秀でた場所を紹介する。

舘の早乙女踊り

長い冬から徐々に春へと変わる季節、舘地区では田植えの予祝舞として早乙女踊りが奉納される。会津では広く伝わる行事であるが、舘では会津の流派とは少し違った形態になっている。

写真ご提供:橋本勝雄さん

会津万歳(まんざい)の魅力

会津万歳は会津地方に伝わる伝統芸能だが、会津藩と二本松藩の境界という地理的特色から、湖南町でも演じられてきた。安佐野(あざの)地区では、保存会の皆さんが伝統を後世へ残すべく尽力されている。

写真ご提供:会津万歳安佐野保存会

県道をゆく
235号 羽鳥福良線

羽鳥湖(岩瀬郡天栄村)と猪苗代湖を結ぶ、馬入(ばにゅう)峠を通る県道。全体的に隘路だが、歴史ある趣深い道だ。

※この記事は岩瀬郡天栄村の記事と同一のものです。