熱海町
郡山の奥座敷として知られる磐梯熱海温泉を有する熱海町。温泉街独特の情緒に溢れる町中を過ぎると、母成峠や中山峠へ向かって山の奥深くへと入っていく。原生林など手つかずの自然が残り、町域の広さに驚かされる。
郡山駅から
ここ熱海町は郡山市北西部に位置し、五百川の流れと三方を山に囲まれた自然豊かな町だ。西側の中山峠を越えれば耶麻郡猪苗代町。中通りと会津の境という山深い地にありながら「熱海」という名前が付されたのは、源頼朝の奥州合戦後、
鎌倉時代に発見されて以来およそ800年の歴史を誇る温泉は、五百川の流れの美しさと共に町の表情をつくり出してきた。どことなく優しい雰囲気が漂うのは、きっとこの地にたくさんの人々が癒しや「和」を求めてきたからだろう。
今回の主な取材は12月からの冬の季節となった。枯れた景色を心配したが、そんな心配は無用。冬枯れさえも美しい。温泉街だけではなく、雪化粧の石筵、まっすぐに伸びる道路とゆったりした田園風景の伊豆島など、同じ町の中でも地域ごとの表情がある。都市近郊でこれだけの美しさに出逢えることに、私達の住む県の懐の深さを再認識させられた。
取材ご協力:郡山市立熱海公民館
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アクセス
熱海町は交通アクセスは比較的良い地域だ。東西に磐越自動車道が通り、温泉街の近くには磐梯熱海ICがある。国道49号も温泉街の近くを通っているため、郡山市街地や会津若松方面からの来訪も楽。(温泉街のある場所は国道の旧道にあたる)
公共交通では電車が便利。磐越西線で郡山から4駅で、快速も停車する。郡山市街からならバスも利用できる。福島交通バスが、郡山駅前~磐梯熱海駅前~熱海車庫で運行されている。なお、磐梯熱海駅から石筵牧場へ向かうバスもあったのだが、2019年に廃止されてしまった。北部へは現在車でのアクセスのみである。
なお、熱海町は会津の天気の影響を強く受けるため、冬場は積雪することが多い。母成方面は11月中旬から、温泉街は12月初旬頃からスタッドレスタイヤの装着が望ましい。
CONTENTS
熱海の名所・旧跡など
石筵・母成から高玉、磐梯熱海温泉街、中山宿、そして東側の伊豆島まで各地域ごとに名所を紹介する。熱海の歴史には欠かせない発電所や、古道なども取り上げる。
楊枝峠を歩く
熱海から猪苗代へ抜ける峠道は、今でこそ国道49号・磐越自動車道と快適な道が通じているが、かつては狭い山越えだった。現在は秘境度の高い山道となったこのルートを、面影を探しながら歩く。