札所31番~33番 会津坂下町/番外1番~3番 - 郡青ひなたweb - Page 2
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番外1.浮身観音

特徴的な八角形のお堂
御詠歌

番外編の最初は、高田市街地(会津美里町)にある浮身観音だ。札所28番・高田観音堂の600メートルほど西に位置する。順番を気にしなければ、高田観音の前後に訪れると良いだろう。

入口正面の特徴的な八角形の建物が観音堂である。その形から「八葉堂」とも呼ばれている。
ご本尊は十一面観世音菩薩で、天海大僧正(幼名・兵太郎)によって発見された。

兵太郎は夢でお告げを得て、漆原と永井野の村境(浮目)の水田から一寸八分の観音土像を見つけ出した。
出家し隋風を名乗ってからは、観音像を肌身離さず修行した。後に天海と改め、108年の大長寿を全うする名僧となる。

観音像は持仏堂(浮身殿)の建立と同時に、仏師浄林作の観音像の胎内に納められた。永禄2年(1559年)のことである。
以降、人々から「浮身観音」と呼ばれ信仰された。

現在のお堂は昭和48年に再建されたものだ。
ご本尊は十一面観世音菩薩。開運、長寿の観音様として知られている。

御詠歌

うきみをばたすけたまへや観世音 みちびきたまへ弥陀の浄土へ

うきみは「憂き身」と掛けているのだろうか。一心に祈る気持ちが伝わってくる。

大沼郡会津美里町字龍興寺北甲2222-3

番外2.柳津観音

ブルーシート横の扉の奥に聖観世音菩薩が安置されている
御詠歌。3番まであるが解読は難しい。書籍を参照するしかない
有名なお寺だけに観光客が多い。紅葉の季節は格別だ
裏手の山門。こちらから入ると、聖観世音菩薩は正面左側だ

柳津町の中心部は、只見川の東岸に位置する。福満虚空蔵尊圓蔵寺の門前町で、お寺を中心に歴史ある町並みが広がる。会津を代表する民芸品、赤べこ発祥の地としても知られる。(赤べこは、虚空蔵堂再建時の伝説に由来)

柳津観音は、圓蔵寺の本堂に納められている。目指すは同寺だ。
只見線の会津柳津駅から徒歩10~15分程度と、電車でも参拝しやすい。有名な寺院だけに案内板も多く、道に迷うことはないだろう。門前町には湯気を出す饅頭屋が立ち並び、独特の風情がある。

会津三十三観音に指定されているのは、聖観世音菩薩だ。本堂の裏手から拝観する。
壁に取りつけられた案内札や立看板のとおりに歩を進めると、本堂を270度回り込む形となる。こちらからは聖観世音菩薩のほか、四体の菩薩を拝める。(撮影は不可)

歴史は寛政年間(1789年~)に遡る。圓蔵寺の和尚が西国三十三観音を巡礼し、各札所の土を持ち帰った。それを境内に納めたという。
寛政11年(1799年)に観音堂が建立されると、多くの人の信仰を集めた。観音堂にお参りすれば、西国三十三観音の巡礼も果たせると考えられたのだ。

文政元年(1818年)には観音堂が消失し、観音像だけが残された。以降、新たな観音堂は再建されず、本堂に安置されている。

御詠歌

柳津は岩にそびえて懸造り 前には只見の舟の浮きはし

3番まで作られている御詠歌の、最初の句。かつての観音堂の様子が想像できる。

河沼郡柳津町大字柳津字寺家町甲176

番外3.鳥追とりおい観音

私は雪の季節に訪れたが、豪雪地帯のため、12月から3月は閉門の場合がある(要事前確認)
御詠歌
1200年以上の歴史を誇るコウヤマキも現存する(看板のある場所)

番外札所の最後は、西会津町の鳥追観音如法寺だ。
国道49号・道の駅「にしあいづ」の一つ手前(会津若松寄り)の信号を南に入る。くねくねした山道で高度を上げると、広い駐車場が見えてくる。

敷地に入ると立派な仁王門が迎えてくれる。正面が観音堂だ。
このお堂は、「東西向拝口」と呼ばれる珍しい形をしている。東から入り、ご本尊に参拝、浄土がある西へ出るよう造られているのだ。
外観も見事で、禅宗様の入念な造りをしている。彫刻職人・左甚五郎作の「隠れ三猿」をはじめ、美麗な彫刻群も見どころだ。

お参り後は、敷地内の木々に目を向けてみよう。仁王門近くのコウヤマキ(高野槙)は、開創時に記念植樹されたものだ。1,200年以上の歴史を誇り、東北最大と言われている。

開創は大同2年(807年)、徳一大師による。徳一は会津の西方浄土として当寺を建立した。
慶長16年(1611年)の大地震で観音堂が倒壊するものの、同18年(1613年)に会津藩の筆頭家老・岡半兵衛重政により再建された。

ご本尊は聖観世音菩薩。脇立として不動明王像、毘沙門天王像が安置される。子授けや安産を祈願する子安観音も有名で、祈祷をお願いする人も多い。

鳥追観音は「会津ころり三観音」の一つに選ばれている。これまで巡礼した中田観音、立木観音とあわせ、ころり三観音もすべて回ったことになる。

御詠歌

金剛き山の如きの法の寺 まこと大非の浄土なるらん

金剛山如法寺と名付けられた由来が想像できる。

耶麻郡西会津町野沢字如法寺乙3533

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