時代の変化を乗り越え復活した伝統芸能。
青柳から新たに地域の魅力を発信していく。
青柳 の笠踊り
写真:馬場一久さんご提供のもの。歴史的に最も初期のものと考えられる。地域の人々の楽しみとして、家々を回っていた。当時から二つ笠で踊るスタイルであった。
取材ご協力・一部写真ご提供:馬場
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人々の娯楽であった故の変遷
一度は昭和30年代半ば。戦争が終わり日本が復興を目指す中、人々は自分達の生活で精一杯だった。特に子供の教育費がかさむ家庭が多く、娯楽まで目を向ける人が少なくなったのだ。
復活したのは昭和46年のこと。日本人の生活も豊かになってきた頃、当時の伊南村が指揮を執り、芸能祭りを復活させた。笠踊りは青柳集落の他に、
しかし昭和50年代後半に再び情勢が変わる。冬の間の仕事が増えて人々が忙しくなったことや、スキー場のオープンなど、様々な娯楽の台頭などにより、結局平成の初めの段階で芸能祭りは中止となってしまう。
このように、人々の生活に左右されてしまう状況であったが、平成19年におよそ20年振りの復活を遂げる。それはやはりこの踊りが地元で親しまれたものであり、魅力を知っている人が少なからずいたからこそであろう。
生の歌声、演奏が特色。再び地域の宝にしていきたい
笠踊りは現在は青柳地区だけのものとなってしまったが、昔の経験者を中心とし、やりたいという人を集め、本当に好きな人だけでチームを作った。中には20代の若手もおり、魅力を新たに発信すべく練習を重ねている。
形態としては、群馬の
両手に笠を持つ「二つ笠」であることが、青柳の大きな特徴の一つだ。市販の笠をそのまま使うのではなく、穴を開けて真ん中の部分をくりぬいて派手な装飾を施す。空気を抜き、振り回しやすくするための工夫なのだそうだ。
ただ、手も足もかなり激しい動きとなるため、長時間踊ることができないことが難点であった。そこで、平成21年からは渦巻きの描かれた
また、踊りのバックが生の演奏であることにも注目したい。太鼓、鐘、竹のへらでリズムをとり、唄も自分達で歌う。
メンバーの馬場一久さんは「たくさんのものに囲まれたこの時代だからこそ、あえてものに頼らず、生で演奏するよさを知ってほしい」と語る。実際、生演奏は音の響きがよく、観客にも喜ばれるということだ。
現在、定期的には8月に行われる郷土芸能の祭典「大桃夢舞台」、10月に
「笠踊りがあることで、いろいろなところから声をかけていただけますし、多くの人・地域との繋がりもできます。それがゆくゆくは地域の活性化に繋がればと思います」と馬場さん。
「せっかく復活したこの郷土芸能を大切に、今後も継続することで、踊りによって地域全体を元気にしていきたいです」
再び地域の顔として根付くのはそう遠い話ではないだろう。
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