山と湿原
田代山 ・宮床 湿原・高清水自然公園
山は古くから地域のランドマークであり、時に信仰の対象でもあった。現在はトンネルが峠を貫いていることも多いが、狭い山道を奥へ奥へと入って行くと、圧倒的な自然に包まれ、どことなく恐れを抱き、同時に神聖な領域へ立ち入っていることを実感する。
南会津町の中でも西部地域は特に山深く、そういった場所が数多く残されているように感じられる。今回の取材では田代山に登ったが、その時に感じた畏怖の念と、やっとの思いで頂上に辿り着いた時の高揚感は忘れられない。山国だけに、西部地域には数多くの見どころが存在する。ほんの一端になってしまうが、紹介していきたい。
写真:田代山山頂の田代山湿原(2010年9月下旬撮影)
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取材ご協力・一部写真ご提供:南会津町舘岩総合支所振興課
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山と湿原
田代山
南会津町の南端で、栃木県日光市との境界にある山。県道350号栗山舘岩線沿いにある
なお、田代山と帝釈山は、平成19年8月30日に尾瀬国立公園に編入されている。
黄金色の草原、初夏のひめさゆり
季節の彩りに山の魅力を知る
田代山へは
きつい道のり故に、山頂の湿原に辿り着いた時の喜びは一際大きい。およそ25ヘクタールに及ぶ湿原は、「雄大」の一言。今回は9月の下旬に訪れたのだが、紅葉が既に始まっており、黄金色の草原が風に揺れて綺麗だった。初夏に登れば、ワタスゲなどたくさんの高山植物が迎えてくれる。
山頂までは2時間程度。急な道が続くので、不慣れな人は休みながらの方が賢明だ。また、天候にも注意が必要で、麓の天気とは必ずしも合致しないことも覚えておきたい。なお、山頂からは県境に沿うようにして帝釈山方面へ抜けるルートも伸びている。時間に余裕があるならば、そちらまで足を伸ばすのもいいだろう。
可憐なひめさゆりが見られる高清水自然公園は、
ひめさゆりの見頃は例年6月下旬頃だが、今回は7月の上旬に訪問した。緩やかな斜面に咲くピンク色の花を愛でながら、ゆっくりと散策を楽しんだ。広い園内は、ひめさゆりの群生地だけではなく、オートキャンプ場や遊歩道、広場も整備されており、アウトドア派にはもってこいの場所だ。様々な目的で、大自然を楽しむことができる。
南郷地区からはもう一箇所、宮床湿原を紹介したい。さゆり荘横の林道を入り、南郷スキー場を抜けていく。しばらくで登山口が見えてくるので、そこからは15分程の距離だ。ハイキングというにはやや本格的な気もするが、登山という程の距離ではない。
ここにはおよそ10種類のミズコケをはじめとする、豊富な湿原植物が生育している。低層湿原、中間湿原、高層湿原に分かれており、それぞれに生育する植物が異なっているのが特徴だ。非常に資源が豊かな場所で、自然との一体感を感じることができる。今回訪れた10月下旬は、ちょうど秋の盛りであった。こちらでも草が黄金色に紅葉しており、秋らしい情緒を味わうことができた。
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