三角油揚三春の郷土文化と出逢う

三角油揚を味わう

To-Fu cafe おおはたや

取材:2010年5月
取材ご協力:有限会社大畑屋食品
文 、写真:木村裕輔
(掲載の情報は取材時のものです。情報が古い場合や、お気づきの点がございましたらご連絡ください。メールはこちら)

上写真:三春の名産品である三角油揚。焼いたものにぴーまん味噌を付けていただく。提供するお店によって、味噌を挟んだり、かけたりするところもあるようだ。春には滝桜付近で観光客向けに三角油揚を焼いて提供している。
お店で食べると、1枚150円。持ち帰ると、3枚390円(国産大豆使用タイプ)。

三角形をしたかわいい形の油揚は、厚みとふわっとした食感が魅力の、古くから続く伝統の味。

三春では古くから三角形の形をした油揚が作られ、食べられてきた。その形や厚みから厚揚のようにも見えるが、三春で油揚と言えばこの形なのだ。江戸時代末期から地域の人達の間で食べられてきたと言われており、郷土を代表する名産品として知られている。
この地域で豆腐や油揚が多く作られてきたのは、神社仏閣が多いことと関係している。お寺にやってくる修行僧達が精進料理を食べ、豆腐はその欠かせないメニューの一つだったのだ。三春藩領内で豆腐の製造や販売を行う店は、実に108軒にも上ったという。
このように地域に根付いてきた食材ではあるが、なぜ三角形なのかは定かではない。一説によると、舞鶴城にあやかり、鶴が高く飛ぶ姿を表現したものだと言われている。かつて三春藩領内のお豆腐屋さんは、どこも三角形の油揚を製造していた。だが時代と共に一般の油揚に変わったり、製造自体をやめてしまったりと、現在も変わらず三角油揚を作っているお店は、三春町内の二軒だけとなってしまった。
そのうちの一軒が、有限会社大畑屋(おおはたや)食品だ。今回お店にお邪魔し、実際に三角油揚を食べさせていただいた。

大畑屋食品 は、さくら湖西岸の高台に店を構えている。「TO-FU Cafe おおはたや」としてカフェレストランを営業しており、女性客の姿が絶えない。豆腐の白と水の青をイメージした洋風の外観で、お豆腐屋さんの和風のイメージとはかけ離れている。
「若い人達に気軽に入っていただきたくて、敢えて洋風のデザインにしました」と、専務取締役の増子智子さん。
昭和7年の創業以降、三春の町中で卸専門の店を構えていたが、豆腐の魅力をより多くの人に知ってもらおうと、現在の場所に移設、カフェを始めた。
お店で早速三角油揚を食べさせてもらった。厚みがありながらも、ふわふわの食感がおいしい。地元の特産品であるピーマンを使った「ぴーまん味噌」との相性も抜群だ。一枚百五十円という値段も嬉しい。今回は焼いて味噌を付けたものを味わったが、煮たり味噌汁に入れてもいいそうだ。
創業当時から守り続けている技法で、一つ一つが手作り。三春の食文化を今日までしっかりと継承してきた。

 もちろん、メニューは三角油揚だけではなく多岐に及ぶ。店舗マネージャーの平野泉さんを中心に、女性らしいしなやかな感性で、豆腐を洋食やスイーツに応用している。豆腐の意外な食べ方とおいしさに驚かされることだろう。
「豆腐の魅力をより広く知ってもらうためには、豆腐の可能性を広げることが大事だと思いました。スタッフでどんどんアイデアを出して作っています」と増子さん。
自社で作った豆腐、油揚、湯葉を中心に、手作りでおいしいものにこだわっている。「お客様に喜んでいただくことを第一に、私達も楽しみながら作っています。大豆を身近でおいしく感じていただけるよう、今後も皆で取り組んでいきます」

取材、文:木村裕輔

三角油揚 おおはたや
特別に製造の様子を撮影させていただいた。一つ一つが職人さんの手作り。油揚は3人、豆腐も3人の方が製造にあたっている。量産よりも安心・安全な食品提供をモットーにしている。

ぴーまん味噌
三角油揚に付けていただく「ぴーまん味噌」(350円)。長年三角油揚に携わってきた大畑屋の開発商品だけに、相性は抜群だ。三春名産のピーマンは夏が一番おいしい。

大畑屋
To-Fu cafe おおはたや(有限会社大畑屋食品)

田村郡三春町西方字石畑253番地
TEL 0247-62-1113 FAX 0247-62-1512
営業時間:9:00~17:30(ランチ11:30~15:30)
ホームページはこちら

お店は「三春の里」の向かい側。

 

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